低金利時代の運用。いまのままでいいの?

「もうすぐ定期預金が満期を迎えるのですがどうしたらいいでしょうか」と思案顔のKさん。お子さまも学業を終えて自立し、旦那さまと二人の将来について思いを巡らせているようです。Kさんの念頭にあるのは「貯蓄を減らさないこと」ですが、取り急ぎ、まとまった額の出費の予定がないだけに、満期預金の扱いにはなおさら考え込んでしまうご様子でした。

50代で定期預金の満期を迎えた方の考えるべきポイント

夫の定年まで定期預金の更新だけでいいの?

子どもの教育費が一段落しても、近い将来に予想される支出は まだまだある。

親の介護が必要になったら
介護費用: 平均約470万円
※「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」(公益財団法人 生命保険文化センター)より算出(実際に介護が必要になった人がかけた年間平均費用と平均期間の掛け合わせによる)

自宅のリフォーム・修繕が必要になったら
工事費用: 平均約780万円
※「平成27年度 住宅リフォーム実例調査報告書」(住宅リフォーム推進協議会)より

子供が結婚することになったら
親・親類の援助額: 平均120万円
※「結婚トレンド調査2015 全国リリース」(リクルートブライダル総研)より算出

ここまで健康に過ごせたけれど、これから医療関連費は増えていくのでは?

ある程度は公的保険でカバーできます。でも、自己負担しなければならない費用もこれだけあるんです。

<公的保険では保障されない医療関連費用>
入院時の差額ベッド代(本人の希望で定員4名以下の少人数部屋を利用する際の利用料)
1日あたり 平均6,129円
※「主な選定療養に係る報告状況」(厚生労働省、中央社会保険医療協議会、第306回総会)より

入院時の食事費用の自己負担分
1日あたり 1,080円
※2016年現在の入院時食事療養費標準負担額1日3食で計算

先進医療を受ける場合の技術料
実際に先進医療を受けた患者 1人あたり平均約72万円
※「平成27年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」(厚生労働省、中央社会保険医療協議会、第323回総会)より算出

他にも、入院時の家族の交通費、外来治療時の通院費、人間ドックの費用など、自己負担しなければならない医療関連費用はたくさんあります。

Kさん:私たち夫婦も、夫の退職、年金の受給まで10年ほどあります。子どもは自立していますから、大きな出費はそれほどないんですよ。だからなおさら、満期を迎える定期預金の扱いに悩んでしまっていて……。かといっていきなり株式や投資信託はよくわからないし。

――そうですね。リスクのある商品は経験があっても難しいです。けれども、将来の老後資金の準備をするにあたっては、低金利の現在ですと定期預金以外での自助努力も必要かと思います。リスクには元本割れリスク以外にも、インフレリスクや価格変動リスク、為替リスクと様々ございます。今回、満期を迎えた定期預金の一部で将来に備えて経験を積んでみてはどうでしょう。リスク商品はやはり少額で経験を積んでからのほうがいいと思います。もし10年という時間があるのであれば、この時間を味方につけて考えてみてはいかがでしょうか。リスクの分散には時間は大事な要素です。

それだけの時間があり、使う予定がとりあえずないという前提で、たとえば、増やすための運用はするけれど元本割れリスクは極力抑えたい、というのであれば、一定の条件で元本を確保することができる機能を持った運用型の保険商品も検討できるかもしれません。短期間で中途解約すると元本割れする可能性があるなどリスクもありますが、元本はできるだけ守りつつ将来に備えられます。保険の場合は預金と異なり「元本」という概念はなく「支払った保険料」という方が正確ですが、あえて分かりやすく「元本」という言葉を使っています。保険は預金とは全く異なりますのでご注意くださいね。

また、保険のうち、個人年金保険は満期後には預金と異なり年金として受け取っていただくことができます。運用の結果次第では一括で受け取ることも選択できますが、年金のように分割で受け取ることで公的年金の補完にもなり、老後の安心にも繋がると思います。公約年金制度の不安が指摘されている現在、自助努力のひとつとして検討に加えてみてはいかがですか?

Kさん:保険商品の「元本を守りつつ」という点が、すごく安心できそうです。増やすことにはそれほどこだわりはないんです。減らさずに預けられれば何よりなので。

――そうですね。Kさまは「資金を減らさないこと」を重視されていましたよね。しかし、今はご存じの通り、空前の低金利の時代です。このような環境では資産の一部を増やすことを目指す商品に振り向ける検討をしていくことも必要だと思われますので、いくつかの運用方法をご紹介いたします。

Kさん:日浅さんが先ほどおっしゃった、元本を確保する機能を持った運用型の保険商品ってどんなものですか?

――例えば一時払の「変額個人年金保険」*1や「変額終身保険」*2という商品がございます。いずれも株式や債券などで運用するものの、満期時や万一の際(亡くなった場合など)には当初の払い込み保険料は確保するという機能を持ったものです。また、一定割合を安定的に運用し、残りをリスクをとって運用することで元本確保と増やすことのバランスを取って追求する商品もございます。ここでいう「元本」とは先ほど申し上げた通り、預金の元本とは異なり、お客さまが払い込んだ保険料のことを指していますので預金との違いはしっかり押さえておいてください。

Kさん:でも「変額・・・」ってリスクがありそうですよね。

――リスクはあります。例えば、中途解約をすると運用実績によっては元本割れとなることがあります。また、預金ではないので預金保険の対象外です。元本を確保する機能についても、運用期間中に保険会社に万一のことがあった際や満期まで保有いただくなど商品毎にいろいろな条件がありますので注意が必要です。

Kさん:預金保険の対象外だと不安ですね。保険会社に万一のことがあったときは保険料として支払った元本も必ずしも守られるわけではないのですね。

――そうです。ただし預金保険の対象ではありませんが、生命保険は、預金保険の代わりに生命保険契約者保護機構の保護対象です。まずは保険会社の信用を見極めることですね。また、元本の確保については、各々の商品の条件によりますのでこうしたポイントについてはしっかりとご説明させていただきます。

Kさん:情報提供や申し込んだ後もフォローいただけるのであれば安心です。 「変額個人年金保険」や「変額終身保険」を選ぶとどんなメリットがあるんですか?

――現在は、円預金のみで資産を殖やしていくことは難しい時代です。満期資金の全部もしくは一部を運用することで増えることを期待する一方、上手くいかなかった場合でも払込保険料の確保は目指すという特徴を持つ商品として案内させていただきます。ただ先ほども申しあげたとおり一定の期間中の解約は、元本確保の機能は働きません。運用する時間の余裕があることを確かめた上で、資産の一部でのご利用をおすすめしています。 付け加えると、個人年金保険と終身保険では使い方や目的も異なりますのでご資金の使い道を含めたご希望をお聞かせください。

Kさん:長期で預けることは、問題ないと思います。

――加えて、保険商品は投資信託や預金と異なる税制が適用されます。支払った保険料は生命保険料控除の対象となり所得控除が受けられたり、受け取る年金が雑所得になるなど、税制上のメリットを享受することができることもございます。 (※詳しくは国税庁サイト内の一時所得に関するページを参照)

他にも、時間に余裕があるKさまであれば、中途解約の制限や為替相場の変動によっては受け取り通貨が変わる可能性があるといった、リスクはあるけれど、定期預金よりは高い利率が得られる「仕組債」や「仕組預金」といった商品もございますよ。先ほどご紹介した、中期的に預けて頂く商品ですね。

しかし、これらの商品は、原則中途解約ができなかったり、元本がおおきく下回ったりする可能性があり、また仕組みも複雑なので、じっくりとご検討いただくことをお奨めしております。

運用初心者にはハードルが高いかもしれません。ですからあくまで円預金で流動性を確保した上での補完として考えることが大事です。

Kさん:難しかったりよく分からない商品は、避けたいです。

――わかりました。時間を味方につけて運用していけるKさまには考える時間と選択肢があります。円預金の安心感と運用商品の期待感。いずれもメリット・デメリットをしっかり比較しご説明させていただきますのでご希望にあった商品を考えられてはいかがですか?

Kさん:この機会にじっくり考えてみたいですね。 そういえば、保険といえば、健康面も気になっています。これまで、何か大病を患っていることはありませんが、夫も私も、50代も後半にさしかかると気がかりなことも増えてきます。

――既にご加入であれば、医療保険、がん保険、介護保険での備えを再確認なさってはいかがでしょうか。

Kさん:ええ、ええ。医療保険も、がん保険も入ってはいるんです。ただ、ずいぶん前のことなので内容など今一つあやふやなままで……これではいけませんよね。

――いえいえ、大丈夫ですよ。ではまず、保険の内容を確認することから始めましょう。現在、医療技術の進歩によって、病気になっても入院しなくて済むケースが増えている一方で、やはり長期の入院が必要になってしまう病気もあります。万一、重い病気となったときに、ご家族にご負担をかけないためにも、今入っている保険を見直し切り替える方もいらっしゃいます。

今までお入りになっている保険を単純に解約してしまうと損になってしまう場合もありますので十分保障内容を確認し、足りないところを新しい保険で補うという考え方もあります。但し、保障が過大になってしまう場合は、ある程度割り切りが必要な場合もありますので個別に考えていくことが必要です。

Kさん:さっそく、夫とも相談して見直してみたいと思います。あとは……そうそう、こちらもまだ元気ではありますが、親の相続についても、今後勉強しておかなければいけないと思っているところでした。

――確かに、相続税制の改正にともない、相続税の課税対象となる方も増えています。最近はご両親の相続が心配なお客さまの相談を受ける機会も多いんですよ。私たちはより専門性の高いスタッフによる相続全般のご相談にも応じることが可能です。相続税の対策だけでなく遺産の分割や円満な相続へのアイデアをご案内させていただいております。ぜひ、気軽にご相談ください。



*1 払い込んだ保険料を特別勘定で運用を致します。特別勘定の運用実績により将来受け取る年金金額や解約返戻金などが増減する保険商品で個人年金保険の一種です。払込保険料相当額を最低保障するタイプは主流ではあるものの最低保証が付されていない商品もございます。また、一般的に元本を確保する機能がある商品は、手数料等も高めに設定されている為、コストにも考慮した利用が必要です。

*2 変額個人年金保険同様に特別勘定で運用するため最低保証利率が設定されていません。最低死亡保険金額は契約時に確定するものの、中途解約をした際には当初払込保険料を下回る可能性がございます。一方、特別勘定の運用が好調であった場合には、死亡保険金が増額となる場合もあります。また保険料が安いことから死亡保障を確保したい人には向いているといえるでしょう。

気づいたポイント

元本確保を目指して保険を活用する運用方法、そして年金受給までの時間を味方につけることを教えていただき、すっかり安心しました。親の相続の相談にも乗ってもらえるのは、保険だけではなく、マネー全般で頼れるエキスパートの強みですね。今後もいろいろと相談してみたいと思います!

Point1:定期預金以外でも増やすことを目指す商品がある
Point2:定期預金を保険に切り替えると、条件を満たせば税制上のメリットが受けられる場合がある
Point3:払込保険料を確保する機能を有した保険商品もある
Point4:医療保険の保障内容も見直しの余地がある
Point5:相続の相談もできる

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  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。

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