【極上のテレワークVol.4】モービルオフィスでドライブ型テレワークを

2020年の新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発出以降、多くの企業で導入・実施されたテレワーク。確かに、オフィスより自宅は気楽。だけど、もっと居心地が良くて、もっと創造性を刺激し、もっと仕事がはかどるようなテレワーク環境があるはず…。
そんな、至高のテレワーク環境を探し求め、全国各地のテレワークスポットを文筆家・ワクサカソウヘイさんが体験レポートしていきます。第4回は、アルパインマーケティング株式会社の移動オフィス車両、「モービルオフィス」でドライブ型テレワークです。

移動時間こそ作業時間である

なんともはかどらない人生を送ってきました。
はかどりません。全然、はかどらないのです。膨大な作業の山を前に、私ことワクサカソウヘイは、呆然としています。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。

なんだか原稿執筆が一向に進まないのです。いや、はかどらないのは私の人生のデフォルトですから、慣れたものといえば慣れたものなのですが、それにしてもここ最近はやけにはかどっていません。気分転換に図書館やビジネスホテルにこもってのテレワークを実行してみたりもしたのですが、それでも作業の道筋に光明が差し込まないのです。気づけば自分の爪を見ているばかりです。ああ。
いったい、今の私には、なにが足りていないのか。

そういえば、ここのところ、移動をしていません。長時間の散歩をしたり、電車や飛行機に乗って遠くの街へ行ったりすることを、していないのです。
「移動時間」というのは、実に重要な「作業時間」でもあります。例えば、散歩の道中に、仕事の行き詰まりを打開するようなひらめきを得ることがあります。それから、電車や飛行機での移動中に、突然にして集中力を発揮し、気づけば原稿が1本終わっていた、なんてこともあります。移動時間には、摩訶不思議な「はかどり」の魔法が秘められているのです。

そんな移動時間に身を浸すことを、そういえば全然していない最近の自分です。これでは、はかどるものもはかどらないのは当然です。そうだ、移動が足りていなかったのか。移動の欠乏が叫ばれていたのか。早急に、移動を補充しなければなりません。

そして、ふと、こんなことを思いました。何なら、延々と移動しながらのテレワークってできないものなのか、と。例えば、Wi-Fiやら電源やら机やらが設置されている車に乗ってのドライブ型テレワークとか。
そんな思いつきを待ち構えていたかのようなプランが、調べてみたらありました。それはアルパインマーケティングが新しく展開した「STORYCA」というカーシェアサービスで、現在日本に一台だけのモービルオフィス。そのアルファード車内には、ビジネスに必須のあれこれが詰まっているというのです。ドライブしながらのテレワークが可能だというのです。

これを試さない手はありません。早速私は東京からモービルオフィスがあるという名古屋まで移動しました。「移動のための移動をする」というのもなかなかにわけがわかりませんが、気分はすでにはかどってきました。

名古屋の“動く城”に対面する

名古屋市営地下鉄東山線の上杜駅に着き、そこから少し歩くと、いました、件のアルファードです。車体にしっかりと「モービルオフィス」の文字が刻まれています。つまり、これに乗るということは、周囲に「私は今、仕事をしています」なる旨を主張するということです。逃げも隠れもできません。爪を見ることなどは許されないのです。身が引き締まります。

ドライブ型テレワークを試したくてうずうずしてきましたが、気を落ちつけて、まずは車内の設備を見てみましょう。

いくつものデバイスを置くことができる、簡易式のテーブルが備えつけられています。中央には置くだけでスマートフォンの充電をすることができるセンターコンソール。その下には電源を供給しているバッテリーがあり、エンジンを止めて停車しているあいだも、充電しながらパソコンなどの電子機器を操作できます。もちろんコンセントもありますし、ポケットWi-Fiもついています。

さらには、サウンドシステムに保冷保温ボックス、あまつさえエンタメ視聴可能なリアモニターまでついているのです。高級感漂うシートは、腰をどこまでも優しく包み込んでくれます。

「おいおい、テレワークどころか、住めるじゃないか…」

思わず、うめいてしまいました。はっきり言ってこの車内、私が普段の作業で使っている自室よりも、数倍のスペックを誇っています。これはもはや、単なる車ではありません。“動く城”です。
何よりも、車内のゆったりとした余裕のある空間がありがたい。さすがはアルファードです。閉塞感はテレワークの天敵なのです。天井には開閉式の窓も備わっていて、青空を見ながらの作業も可能です。

ドライブか作業か、それが問題だ

さあ、ドライブとテレワークの開始です。ハンドルを握りしめ、アルファードを名古屋の街へ向けて走らせます。静かなエンジン音とアクセルのやわらかい踏み心地が、実に快適。しばらく移動から遠ざかっていた身としては、流れゆく景色に目をやるだけで、何かが回復していく心地を得ます。
名古屋港、問屋街、熱田神宮…。名古屋の有名スポットを車窓から眺めながら、爽やかにモービルオフィスは走ります。

…あれ?おかしい。普通にドライブを楽しんでいるではありませんか。テレワークをするために名古屋に来たのに、モービルオフィスの運転があまりにも気持ち良かったため、ついついドライブだけに夢中になっている自分がいるではありませんか。いけない、いけない。これでは現実逃避の先が、自分の爪から名古屋の景色に変わっただけです。作業をしなければなりません。名古屋城を眺めている場合ではないのです。

しかし、ここでひとつの問題に気づきました。当たり前といえば当たり前なのですが、ドライブ型のテレワークというのは、どこかに停車してPCを開かなければなりません。運転をするときは運転に集中、作業をするときは作業に集中という、厳格なリズムを自分に与えなければならないのです。
そして、どこに停車をして作業をするのか、それが悩みどころなのです。

試しに、市街地の立体駐車場に車を停めて作業してみたのですが、なんだか気がのりません。作業がうまくはかどりません。なんというか、ビルに囲まれた景色の中では、リズムが失われてしまう感じがするのです。

テレワークに必要なのはドライブ感

ドライブというのは、テンポが大切です。「運転能力というのは、つまりリズム感である」という言説を聞いたこともあります。そして、それは作業をはかどらせることも同じです。何事もリズムにのせたら、こっちのものなのです。

もっと清々しさを感じられるような景色の中に停車をして、軽快な音符を見つけなければなりません。広々とした場所で、このドライブとテレワークの作業をリズムにのせなければなりません。

名古屋近辺において、それはどこでしょうか。
そうだ。あのスポットがありました。かつての万博の跡地、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)です。ジブリパーク開業で盛り上がる、緑の多い広大な公園です。あそこの駐車場であれば、ドライブ型テレワークにぴったりなのではないでしょうか。

思いつくやいなや車を走らせ、リニアモーターカーと大空だけが景色を彩る解放的な駐車場へとやってきました。近くからヤギの鳴き声が聞こえてきたりもして、なんだか牧歌的でもあります。さあ、本腰を入れて、作業スタートです。

モービルオフィスのドアを開けっぱなしにして、「半インドア/半アウトドア」の状態でテレワークに臨みました。

カチャカチャカチャ…。チュンチュン…。メエ…。カタタタタ…。

キーを叩く音、小鳥やヤギの鳴き声、そして、リニアモーターカーの走行音が静かに混ざり合います。そうしているうちにリズムが現れて、作業へと没頭していきます。おお、とてもいい塩梅です。最近ではものにできていなかった、指先がドライブしていく感覚。

はかどっています、今、自分はとても、はかどっているのです。アップテンポのモードです。電子ピアノのボタンを適当にいじっていたらたまに流れる、あのズンチャカとした曲調です。
とはいえ、一定のリズムというのは、そう長くはもちません。そのうちに必ず、飽きがきます。だから、四分休符を差し込まなければなりません。

タイミングの折を見て、作業の手をハンドルへと切り替えます。そして、公園の周囲を、ぐるっとドライブします。そうやって気分転換を図ったところで、また駐車場で作業再開。この変調的なリズムが、今回のテレワーク全体を通して、非常に効果を上げました。手軽に移動できるということは、煮詰まりや行き詰まりをすぐさまに解消できてしまうということなのです。

その時々の気分に合わせて、移動ルートや作業景色を選択できるというのが、またいい感じです。電車や飛行機の移動では、こうはいきません。
ドライブ型テレワーク、めちゃくちゃに可能性を秘めているではありませんか。

世界の駐車場よ、我がオフィスとなれ

こうして私は、ジブリパーク近くに停めた“動く城”の中で、作業をはかどらせることに成功しました。なんとも爽快な達成感に包まれます。

モービルオフィス返却へ戻る道中、こんなことを思いました。このモービルオフィスを、例えば月のうちに1週間程レンタルして、全国の広大な公園の駐車場から駐車場へと移動し続けるような生活をすれば、作業の滞りに頭を悩ませることはもうなくなるのではないか、と。

それはつまり、移動の中に身を置く状態を、日常の中にインストールするということです。全国の駐車場を自分のオフィスへとカスタムすることで、日々のリズムに変調を加えるのです。
このオフィス仕様車と、ちょっとした思い切りさえあれば、それは実現可能です。そう考えると、なんだかすべての公園や駐車場が自分の作業部屋に思えてきました。未来の景色を描くことが、はかどってきました。

もし、毎度の同じ景色の中でPCを前にうんうんと唸っていたり、自分の爪を見てボーっとしていたりする人がいたら、このドライブ型テレワークを強力にすすめたいと思います。
移動とは、万物の「はかどり」の創造主なのです。

なんならこの原稿も、5割は名古屋ドライブの道中で書きました。

<施設紹介文>
STORYCA モービルオフィス

アルパインマーケティングが提供するカーシェアサービス「STORYCA」のモービルオフィスは、トヨタ・アルファードをベースに移動オフィス道具一式を2列目シート部に装備したテレワーク専用車両。さらに大画面ナビ&サウンドシステムなどを搭載している。2021年9月15日にサービスを開始し、現在は名古屋市内に配備。モービルオフィス以外にもキャンプ道具やカフェ道具など目的別の専用車両を横浜、大阪、名古屋の3つのステーションで展開中。

モービルオフィス-STORYCA活用方法

撮影/髙橋 学(アニマート)

 

執筆者プロフィール

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。

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