収入アップを目指す人におすすめの資格10選

収入を増やそうと考えた場合、選択肢は現在の職業での収入をアップさせるか、副業を行うか、転職するかのいずれかになるでしょう。ただし、同じように働いているだけでは収入は増えませんし、副業や転職も簡単にできるものではありません。そこで、次のステップを目指す糸口となるのが資格の取得です。
ただし、どの資格でも収入アップにつながるわけではありません。今回は、収入を増やすために役立つ資格について、取得方法とともにご紹介します。

収入アップに効果的な資格の選び方

短期間勉強すれば誰でも取得できるような資格は役立ちませんし、実務経験が重視される資格も収入アップにつなげるのは難しいでしょう。
資格を取得するには時間も手間もかかります。自分にとってより効果のある資格を選ぶには、どうしたらよいでしょうか。取得する資格を考える上でのポイントをご紹介します。

今後のキャリアと関連する資格を考える

この先、キャリアアップのために自分が目指す目標に到達するための資格を考えてみましょう。 経理担当者なら簿記や税理士資格を目指したり、営業担当者なら営業士検定を取得したりといったことが挙げられます。
そのためには、まずこれまでのキャリアの棚卸が必要となります。現在、何ができて何に興味があり、 将来何がしたいのか、自分のこれまでとこれからを考えることで、取るべき資格の方向性が明確になるでしょう。

好きなことを極められる資格

自分の好きなことを掘り下げて資格を取るのもよいでしょう。収入アップにつなげるには時間がかかるかもしれませんが、資格取得は簡単ではありませんから、 自分の好きなこと、興味のあることのほうが、モチベーションは維持できます。例えば、食べることが好きな人が、調理師や食生活アドバイザー資格を目指すといったことが挙げられるでしょう。
また、珍しい資格の場合、取得したことで注目を浴びることができる可能性があります。本業とは別視点の考え方や話題で職場を活性化し、いずれ自分の収入につながる可能性も考えられます。

管理職になったときに役立つ資格

管理職として今後の成長を目指すためには、長い目で見て活躍するためのスキルを身に付ける必要があるでしょう。 取得する資格は、管理職としての立場でマネジメントを行う上で役に立つものでなければなりません。
大きく分けて、PMP(Project Management Professional)やMBA(Master of Business Administration)など、マネジメント系、人事・労務系、経営系、語学系の資格で、より難度の高いものを目指すのが妥当です。

収入アップを目指すためにおすすめの資格

それでは、収入を増やしたいと考える人が取得する資格には、どのようなものがあるでしょうか。収入アップのためにおすすめの資格を10個ご紹介します。

1 社会保険労務士

社会保険労務士法に則った国家資格である「社会保険労務士」は、企業での人事や労務管理、年金、社会保険などに関するアドバイスや指導を行うエキスパートです。
社会保険労務士の試験には、学歴や実務経験など、受験資格の規定があります。4年制大学、短期大学、5年制の高等学校を卒業している人なら、 学部を問わず受験が可能ですので、そうハードルの高いものではないでしょう。年に1回試験が実施され、合格率は6%程度です。

通信または通学の講座を受けて試験に臨む人が多いようですが、独学で受けることも不可能ではありません。 社会保険労務士の合格者は半数以上が社会人というところから、働きながら資格取得を目指す人が多いようです。 資格取得後は企業内で人事・労務関連の業務で重宝されますし、将来的には独立することも可能です。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト

2 キャリアコンサルタント

「キャリアコンサルタント」は2016年に創設された、比較的新しい国家資格です。適性や職業経験に応じて職業を選んだり、キャリア形成に関するアドバイスをしたりするコンサルティング業務を行います。学校や公的職業紹介機関、人材紹介会社などで活躍しますが、一般企業内で従業員のキャリア相談を受けるケースもあるようです。
受験資格には、厚生労働大臣が認定する養成講座を受講し全課程を修了する、または職業設計や職業能力開発などの相談に携わるなどの実務経験が3年以上あるといった条件があります。試験は年に3回程度実施され、学科試験と実技試験があります。合格後はキャリアコンサルタントとして登録し、仕事をスタートすることができます。

キャリアコンサルタント試験

3 ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP・CFP

ファイナンシャルプランナーは、お金の流れや仕組みの知識を活かし、個人の家計をチェックし、ライフプランを通した資産形成や資産計画のアドバイスを行います。 金融財政事情研究会が実施と運営を行う国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)」と、日本FP協会が認定する民間資格である「AFP」「CFP」があります。 いずれも、金融関連の幅広い知識が必要とされます。
FP技能士は、合格すれば資格に有効期限はありませんが、AFP・CFPは資格に有効期限が設けられています。 FP技能士には3級、2級、1級の3段階のレベルがあり、2級ファイナンシャル・プランニング技能士とAFPがほぼ同レベルとなっています。 受験資格は特にありませんが、資格が欲しい場合は、まず2級FP技能士を目指すのがおすすめです。

資格取得後は社内の総務の仕事に活かすこともできますし、金融機関であればお客様のお金に関するライフプランの相談、コンサルティングを行うことができます。

FP技能検定 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
日本FP協会

4 日商簿記1級

「日商簿記検定」は3級から1級まであり、3級は一般的な経理事務、2級では企業の経営内容を把握する財務担当者程度のレベルです。1級を取得すれば、公認会計士や税理士の受験資格にもなり、経営管理や分析が行える専門家としてのレベルで、合格率は10%ほどとかなりの難度です。どの級からでも受けることができ、試験時間の設定から2級と3級、1級と2級を同日に受験することも可能です。日商簿記の試験は年に3回程度開催されていますが、1級については年に1回の実施です。

日商簿記1級は難度の高さから資格取得者も少なく、取得すれば財務管理などのプロとして活躍することができるため、企業からも重宝されます。

簿記 1級 | 商工会議所の検定試験

5 中小企業診断士

「中小企業診断士」は、企業の経営に関する指導や経営診断など、経営コンサルタント業務の国家資格です。受験資格は特にありませんが、最終合格率は4~5%と難度の高い資格です。
試験は毎年8月に1次試験があり、全7科目となっています。全科目の総得点で60%以上を獲得し、1科目でも満点の40%未満がないことが合格条件です。 なお、合格した科目は、合格年度を含む3年間、申請をすると試験免除を受けられる措置があります。2次試験は10月に筆記試験、12月に口述試験と分かれます。

資格名に「中小」とありますが、大企業も含む、企業全般の人材や経営、財務に関する幅広い知識を身に付ける必要があります。 資格取得後は、企業内の経営企画室や開発部門、営業など、さまざまな部署でその知識を活かすことができるでしょう。 コンサルティング会社に所属して他企業のコンサルティング業務に携わる、または経営コンサルトとして独立することも可能です。

J-SMECA 中小企業診断協会

6 行政書士

「行政書士」は、1万種類以上といわれる各種書類の取り扱いを行うことができる、さまざまな正式書類を扱う国家資格です。 さらに、それらの書類に関する相談を受けたり、代行や提出代行などをしたりするのも行政書士の仕事です。 年齢や学歴などの受験資格はなく、年に1度、11月の第2日曜に筆記試験が行われます。

合格後は、一般企業の総務や法務系の現場で、申請業務の代行や書類作成などに資格を活かすことができます。 独立開業して遺言、相続、契約書など、さまざまな書類に関する相談や申請を行うことも可能です。

一般財団法人 行政書士試験研究センター

7 マンション管理士 

「マンション管理士」とは、マンション管理組合の運営なども含む、マンションの維持・管理やコンサルティングを行えることを証明する国家資格です。
国内のマンションの増加傾向に伴い、各マンションを管理するマンションの管理組合の設置が法律化されました。 しかし、マンション管理組合は、そこに住む住民に任されており、会計の処理から運営コストに関すること、建物の修繕が必要になった際の動きなどに対する知識はほとんどないのが現実です。 そこで、それらの事柄について相談にのり、的確にアドバイスを行うのがマンション管理士です。 組合運営についてのノウハウをはじめ、法律知識、建築的構造的知識など、幅広い分野の知識を求められます。そのためか、合格率は7~9%と低めです。

受験資格は特になく、年に1度、11月に試験が行われます。資格取得後は、マンション管理組合のコンサルティングや、自治体で主催するセミナーでの講演を行うといった活躍の道もあります。 マンション管理士として独立することも可能ですが、宅地建物取引士や管理業務主任者を合わせて取得し、 不動産会社や不動産系コンサルティング会社で不動産業務全般を担う道もあるでしょう。

公益財団法人マンション管理センター|マンション管理士試験

8 宅地建物取引士 

「宅地建物取引士」は、土地・建物の取引が行われる際に、取引の当事者に対して、重要事項の説明から契約書の捺印までをすべて行う国家資格です。 不動産についての十分な知識を持ち、その取引が正当なものであるのか判断しつつ、取引の成立に立ち会うのがおもな仕事です。

宅地建物取引士の受験資格は特に必要ありませんが、合格率が15%前後と比較的難度の高い資格です。 試験合格後は、都道府県に登録手続きを行わないと、宅地建物取引士として仕事をすることはできません。なお、一度登録を行えば、基本的には生涯有効です。
宅地建物取引士は、土地・建物の取引には必ず必要な人材であり、不動産業界ばかりでなく、銀行、保険会社、商社、外食産業など、さまざまな分野にわたる業種から必要とされます。 今後、さらに注目度が高まる資格となることが予想されます。

一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験

9 税理士

「税理士」は、文字どおり税金のプロフェッショナルで、税理士法に定められた国家資格です。企業や個人に対し、税金についての相談、申告・申請、書類作成、会計処理を行います。
受験資格には、法律か経済学を1科目以上履修した上で大学・短大・高等専門学校を卒業するか、司法試験合格者、日商簿記検定1級合格者、 あるいは、実務経験者など多岐にわたる条件が設けられ、どれかに該当する必要があります。試験は会計学、税法に関する5科目が課せられ、5科目すべての合格で資格取得となりますが、 合格率は2%前後の難関資格。1度に全科目合格できる人はまれで、何年かかけて全科目の合格を目指す人がほとんどです。 さらに、2年間の実務経験を積むことで税理士として登録ができます。

資格取得後は一般企業で税務知識を活かすこともできますし、税理事務所で働いたり独立開業したりすることも可能です。

税理士試験|国税庁

10 TOEIC

「TOEIC」は、グローバル化するビジネスシーンでますます必要とされる、英語のリスニングとリーディングのテストです。 英文事務に携わるのであれば800点以上、翻訳などを行うのであれば900点以上は取得したいものですが、まずは600点以上を目指すといいでしょう。
転職や昇進の条件に、TOEICの一定の点数を定める企業もあり、現在英語を活かす場がなくても、受験しておいて損はないテストです。 試験は年に10回実施され、試験会場も多いので比較的受験しやすいでしょう。

【公式】TOEIC Program|IIBC

資格を取得し収入アップを目指す!

どのような資格でも、取得したからといって即高収入に直結するということはありません。資格を取得するために勉強をし、 普段の仕事に活かしてこそスキルアップとなり、結果的に収入アップにつながっていきます。
自分のキャリアや興味、将来的な目標に合った資格を選び、効率良く学習していくことをおすすめします。

 

執筆者プロフィール

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