靴底の減り方で体のトラブルがわかる?

普段履いている靴の「底」を見たことがありますか?毎日履いていると、靴底は少しずつすり減ってくるものですが、実はその減り方で、歩き方や姿勢の癖、体のトラブルを知ることができます。
ここでは、靴底の減り方からわかる歩き方の癖や、その改善方法を解説します。

歩き方は靴底の減り方に表れる


汚れを落としたり磨いたり、靴の表側のお手入れは念入りにしている人でも、見落としがちなのが靴底の減り。特に、外回りの仕事で歩行距離が長い人や、毎日ハイヒールを履く女性にとっては悩みの種ではないでしょうか。

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果」によると、日本人が1日に歩く歩数の平均値は、男性が6,793歩、女性が5,832歩だそうです。いつも履いている靴を数十キロの体重をかけて、毎日合計6,000回近くも硬い地面に打ち付けることになるので、底がすり減ってくるのは当然です。
かかとの外側とつま先が、左右均等にバランス良く減っていれば正常なのですが、問題は左右均等でないなど、バランスの悪い減り方をしている場合。放っておくと、腰痛や肩こりなどのトラブルが起こる一因になる場合もあります。

自分では気付かない歩き方や姿勢の癖、起こりやすいトラブルも、いつも体重を支えている靴底の減り方を見れば一目瞭然。靴底は、私たちに体の状態を伝えてくれるメッセンジャーなのです。

靴の底の減り方は主に6パターン


「外側が減りやすい」「つま先だけが減る」など、靴底の減り方にはいくつかのパターンがあります。よく履く靴を裏返して、一番近い減り方の項目をチェックしてみましょう。普段、意識していない重心のかかり方や、体のトラブルの原因がわかるかもしれません。

1. かかとのやや外側と、つま先のやや内側が減っている

左右のかかとのやや外側が均等に減っていれば、歩き方に大きな問題はないといえます。かかとの外側に加え、左右のつま先のやや内側もバランス良く減っていれば「かかとから着地し、重心が前に移動して、親指の付け根で地面を蹴る」という正しい歩き方ができている証拠です。

2. つま先だけが減っている

靴底のかかとが減らず、つま先だけがすり減っている場合、歩くときの重心が前に偏っている可能性があります。これは、日常的にハイヒールを履く女性に多い減り方です。
ハイヒールは、地面に着く面積が狭いため、体のバランスが不安定になりがちです。バランスをとるためにひざが曲がり、負担がかかってひざの痛みが出てしまうこともあります。ひざが曲がったまま、無理に姿勢を良く見せようとすると腰が反り、背中の筋肉が硬くなって、腰痛を引き起こす場合も。すでに痛みがある場合は、ハイヒールを履く時間を短くしてみましょう。

3. 靴底の中心だけが減っている


かかとやつま先が減らず、土踏まずの上あたり、靴底の中心だけがすり減るのも、ハイヒールを履いている女性に多い減り方です。縮んで硬くなったアキレス腱に引っ張られて、重心が後ろ寄りになっています。体重を支えるため背中から上が前かがみになり、猫背になっている場合も少なくありません。
アキレス腱を伸ばし、重心をまっすぐに保つよう意識するだけでも、姿勢が改善されます。

4. かかとやつま先の内側だけが減っている

かかとやつま先の内側だけがすり減る人は、内股やX脚など、歩くときの重心が脚の内側にかかっている場合が多いでしょう。足裏のアーチがなくなって平らになる、「偏平足」の可能性もあります。
重心が偏った状態が長く続くと、足の親指の付け根が変形してしまう「外反母趾」や、タコやウオノメ、巻き爪などを引き起こす可能性があります。さらに、バランスを崩して転倒しやすくなったり、太ももの付け根が太く見えてしまったりというデメリットも。足全体をしっかりと地面に着けて歩くよう、心掛けるといいでしょう。

5. かかとやつま先の外側だけが減っている

靴底を見たとき、かかとやつま先の外側だけがすり減っている場合、ガニ股やO脚など、脚の外側に重心がかかる歩き方をしている可能性が高いといえます。足首が外側に傾き、ひざが外側を向いてしまうと、足首やひざに負担がかかります。
このような歩き方を続けると、脚の外側の筋肉が硬くなり、下半身が太って見えたり、股関節を傷めたりするリスクもあります。歩くときに、股関節を少し内側に倒すことをイメージしてみてください。

6. 左右で違う場所が減っている

左右の靴底を比べたとき、それぞれ違う場所がすり減っている人は、左右の脚の長さが違ったり、重心のかかり方に偏りができたりしているかもしれません。微妙な左右差は誰にでもあるものですが、大きく偏った状態が長く続くと、負担がかかっているほうのひざや股関節に痛みが出てしまうことも。
脚の長さが違う場合は専門家に相談し、インソールなどを入れて調整するとバランスがとりやすくなる可能性があります。荷物を持ったり脚を組んだりといった日常の動作が、左右どちらか一方に偏っていないかをチェックすることも有効です。

正しく歩ける体を作るには?


体に負担がかかる歩き方や姿勢を続けると、腰やひざの痛みをはじめ、さまざまなトラブルの原因となります。姿勢を根本から改善し、正しい歩き方を身に付けるには、ストレッチや筋肉をつけるトレーニング、マッサージなどが有効です。すでに強い痛みや違和感がある場合は自己判断せず、医師や専門家に相談してください。
続いては、トラブルを解消・予防するために、正しく歩ける体を作るポイントをご紹介します。

正しい歩き方を知る

日々の生活の中で少し意識するだけでも、歩き方の癖は変えることができます。鏡の前で横向きに立ち、歩いているときの姿勢を確認してみましょう。耳の後ろあたりから、肩を通って足のくるぶしまで、まっすぐになっているのが正しい立ち方です。猫背になっていたり、腰が反ったりしていないでしょうか?お尻に力を入れ、下腹部で体重を支えることを意識すると、バランスがとりやすくなります。


歩くときには背筋を伸ばし、前に出した足をかかとから着地します。重心を足裏から前に移動し、親指の付け根あたりでしっかりと地面を蹴ってください。正しい歩き方をすると、体にかかる負担が減り、疲れにくさを実感できるはずです。

ハイヒールを履くなら、腸腰筋やアキレス腱を伸ばす

ハイヒールを履くと脚が美しく見えますが、足に負担がかかることは確かです。ハイヒールを履く人で、靴底のつま先や足の中心部分が減りやすい場合、上半身と下半身をつなぐ「腸腰筋」が縮んで硬くなっている可能性があります。
ハイヒールを履いて全身のバランスをとるためには、脚だけでなく、おなかや背中の筋肉で体重を支える必要があるのです。トレーニングで鍛えることも有効ですが、筋肉が硬いままでは筋トレの効果も出にくいので、まずはストレッチをして体をほぐしていきましょう。

腸腰筋を伸ばすストレッチは、まず、両ひざを床に着いた姿勢から、左足を前に出してひざを直角に曲げます。その姿勢から背筋を伸ばし、左側へ体をねじると、太ももの付け根が伸びているのを感じられるはずです。30秒程度キープしたら、反対側も同様に行ってください。右手を左のひざのあたりに置くと、体がぐら付きにくくなります。
特に、靴底の中心部分が減りやすい場合、アキレス腱が硬くなっていることも少なくありません。まっすぐ立った状態から片方の足を後ろに引き、ふくらはぎとアキレス腱を伸ばすストレッチも併せて習慣にするといいでしょう。

X脚や内股は、内ももを伸ばす

X脚や内股など、重心が内側に偏り、靴底の内側が減りやすい人は、内ももの筋肉が硬くなり、太ももの外側やお尻の横の筋肉が弱くなっているかもしれません。まずは、硬くなった内ももの筋肉を伸ばしましょう。
左右の足の裏を合わせて座ります。背筋を伸ばし、骨盤が前に倒れないように意識しながら、ひざを真下に押し下げていきます。痛みの出ない範囲で30秒程キープしてください。

O脚やガニ股は、お尻の横の筋肉を伸ばす

外側に重心が偏っているO脚やガニ股の人は、足の裏全体をしっかりと地面に着けて歩くことを意識してください。また、お尻の横や脚の外側の筋肉が硬くなりやすいので、たくさん歩いて疲れている日には、ふくらはぎから太ももの横にかけて手のひらや指でほぐしておきましょう。
それには、お尻の横にあって骨盤を支えている「中殿筋」にアプローチでき、腰痛にも効果的なストレッチが最適です。

まずは、仰向けになり、両方の肩甲骨を床に着けたまま、右のひざを曲げます。左手を右ひざに添え、ゆっくりと左側にひざを倒していきます。急な動きで筋肉を傷めないよう、無理のない範囲で行いましょう。20秒程キープして、反対側も同じように行ってください。

体幹を鍛え、美しい姿勢を作る

正しい歩き方ができていない人にとって大切なのは、体幹を鍛えることです。体幹とは、頭と手足を除く胴体全体を支える筋肉のこと。背中やおなか、腰回り、尻などの筋肉を含みます。体幹がしっかり鍛えられていると、自然と姿勢が良くなり、腰痛などのつらい症状が改善することも多いといわれています。
体幹を鍛えるトレーニングはたくさんありますが、普段運動をしない人でも毎日の習慣に取り入れやすい「プランク」がおすすめです。

まずはうつ伏せになり、両手足を肩幅に開きます。両肘を曲げて上腕を床に着け、腰も持ち上げます。ひざを持ち上げると負荷が強くなるので、初めはひざをついたままでも大丈夫です。腰が反らないよう、背中をまっすぐ伸ばすことを意識すると、腹筋や背筋に効いてきます。最初は30秒からスタートして少しずつ時間を延ばしてください。毎日続けることで、強い体幹を作ることができるでしょう。

靴底の減り方を観察し、体のトラブルに対処しよう

普段、意識することの少ない靴底の減り。よく観察してみると、歩くときの癖や重心のかけ方によって、減りやすい位置が人によって異なります。靴底の減り方に著しい偏りがなければ、それほど心配する必要はありません。しかし、腰やひざの痛み、外反母趾など、すでにトラブルが起こっている場合、歩き方を変えたり、体の癖に合ったストレッチやトレーニングをしたりすることで、原因を取り除くことができるかもしれません。
毎日体重を支えてくれる靴底からのメッセージに、耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

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